「埋蔵金掘りに行かない?」
 などという大それたことを言ったかどうかは定かではありませんが、赤城山の周辺にはいくつもの黄金伝説が眠っています。黄金とくれば大判小判。それはやっぱり金貨、金貨といえばポルトガルの通貨(このへんで既に無理がある)、その貨幣単位はエスクードだってんで、幹事は今回のつくばーどを赤城山に絞ったに違いありません。
 「バカ言っちゃいけません。林業や治山で切り開かれた林道沿いで、埋蔵金なんか簡単に出てくるわけないじゃないですか」
 「それにしちゃあ日頃積んでないスコップを持ち出しているのはなんで???」
 「これはほら、スタックするかもしれないし土砂崩れがあるかもしれないし・・・前フリの度にいーちいち揚げ足を取りに来るんじゃないっ」
 かくして、4月末の赤城山へ、かなりあちこちからさまざまなエスクードが集まっていくのでした。

つくばーどin赤城

 実は昔、E−ACTのシン大尉が“超難民キャンプ”と称して赤城山の林道をツーリングしています。しかし嵐田の知る限りでは、赤城の南面にはそのようなルートがない。北面にはそれなりの数の林道があるものの、やれ滝だの温泉だのと沿道ギミックがくっついたレポートを読んでいくと、ますます謎。
「シン大尉、どこの林道だったの?」
 とたずねてみたところ、よく覚えていないという返答。さぞやハードで意識朦朧なほどの疲労を強いるのが“超難民キャンプ”なのだなと、勝手に解釈したのであります。
 これがそもそもの誤算。往々にして、走っている道は同じものなんです。
 今回のツーリングでは、栃木県葛生町から草木ダム経由で、群馬県片品村までの林道走り繋ぎ(たぶん延長80kmを越えたであろう)を画策していたので、赤城山ではなく、さらに北側の袈裟丸山中を検討していました。
 
 それにもかかわらず集合・宿泊地は宮城村のACN赤城山オートキャンプ場。これは赤城の南面なので、完全にあさっての方向です。“超難民キャンプ=赤城山中”という先入観のもたらした不幸。ゴールデンウイーク最初の週末に、関越の渋滞を抜けてくる参加者がいる。ツーリング当日には群馬の観光拠点である赤城の南面から北面へと、混雑する道路を縦断しなくてはならない。
そしてさらに、2週間ほど前に行った試走で、葛生から草木ダムへのルート上4本の林道のうち予備も含めて2本が路肩崩落で通行止めと完全舗装済み。草木ダムから片品にかけては後半戦がゲート封鎖という、世にも恐ろしい企画倒れな顛末。
 もう土曜宿泊の面々には、イタチョー・シン大尉の美味いカレーと唐揚げで、日曜合流の面々にはひたすら頭を下げて切り抜けるしかなくなっていたのです。
 今回の参加車輌は、幹事のらすかる(TA11W)をはじめ11台のエスクードと、シン大尉のジムニー(JA71)。このうち9台・15人がオートキャンプ場に宿泊となりました。
 たけさん家族(TD51W)、くらげうにつかさくん(TA01W)、コンバチたぐちくん(TA01R)トライノマドさいとうくん(TD01W)、だいすけさん(同)、LANさん(同)、SIDEKICKさん(新たにTA51W)。これに翌日、akiさん(TD11W)が岐阜から、YONEさんコンビ(同)が千葉から、しゅうさん(TD01W)が地元参加となるのですが、
「ショートの台数がジムニー入れると5台というのは嬉しい」
「01ノマドはやっぱりベストセラーなんだ」
「それにしても、同県ナンバーが1台もないというのは初めてだ」
 というような対話が、土曜、日曜にかけて展開するのでした。
 シン大尉は“こだわりの牛筋カレー・子供が参加してるから辛くしないけど文句言うなスペシャル”と、このところ腕を上げている“つくばーど基地で食える唐揚げより美味いはずの唐揚げ”づくりに専念。幹事はやってくる参加者を捕まえては宴会の準備を支持する悪代官ぶりを発揮。
「林道だからOUTROAD。遭うと労働・・・」
 こういうつまらないことしか言えないのが、いかにも悪代官です。