つくばーど®in妙高高原が始まる2年前、新潟県妙高市や上越市の広域合併はまだなく、娘たちを連れて行った2002年はまだ新井は独立した行政区だった。
 当時、霰も霙も7歳と5歳。我が家のエスクードも先代のらすかる。僕ばかりでなく皆、若かった。
 23年の歳月で年老いたことを嘆くのではなくて、2025年夏の妙高行は、霰と霙がBLUEらすかるの後継車となる「Ω」を走らせ、妙高においては「最初で最後のWらすかる」を実現できたことが、親ばかと言われようとも嬉しい出来事だ。
 2005年から妙高行に使っているBLUEらすかるの退役が年末に迫っている。2台のTD61Wが旅をする機会は、おそらくもう無い。そうなると、ただ現地まで走りっぱなしも面白くないし、女性陣には不評を買うので、たぶん景色よりも美味しいもの、が優先される。
 我が家の妙高への旅は、そんな感じだ。
 単身赴任地からBLUEらすかるΩを運転してきた霙と赤城高原SAで待ち合わせ、まず昼食のために月夜野の「銀の月」に立ち寄る。分厚いカツレツや様々なフライものをコースで振舞う料理と紅茶の店。地球と月を距離として往復したBLUEらすかるにもふさわしいネーミング。オーナーご夫妻も変わらず朗らかだ。 
 実はここだけで胃袋は十分に満腹感なのだが、ここから先約50キロの南魚沼に、霙がチャレンジするМ2-レイドのポイントがある。
 「石打邪宗門」という名の喫茶店だ。提案されなければそこが喫茶店であることに全く気付いていなかった。連休初日でもあるせいか、他府県ナンバーの車が多く、人気店であることがわかる。
 ここからは一般道を走りつなぎ、大規模な砂防ダムや水力発電所を見物しながら、上越市に向かう。昨年末に閉店してしまった新井の「カフェねこじ」が、イオンのフードコートで営業を続けている。いやしかし、クレープを食える別腹が無い。霙に丸投げする。
 つくばーど®in妙高高原は、杉野沢温泉の「空飛ブウサギ」にお世話になっている。亡くなられた内田オーナーがエスクード乗りだった縁が、今でも続いている。ここをベースに界隈の林道探検をするのが妙高のイベントなのだ。
 杉野沢スキー場は既に外資系リゾート開発に買い取られ、新たなホテルや商業施設が作られるという。第二第三のニセコや白馬にならないことを祈るばかりだ。
 2日目の林道探検後、昼食は、長野県の千曲市まで移動。Ωは霰が運転し、「デザートランドリンゴの木千曲店」にたどり着く。リンゴ、栗、杏子が自家製という「りん・くり・あん」という別名を持つスイーツが主役の店だが、ランチをオーダーして洋菓子類は持ち帰りの買い物となった。
 長野県も猛暑。気温を下げたいので菅平に上がり、嬬恋村経由でさらに混雑を避け、再び月夜野をめざすが、流れ解散前夕食に予定していた赤城高原SAは大混雑で、そのまま通過し霙は帰路についていった。