決勝レースはフォーメーションラップのあとシグナルスタート。出足は混戦、全車無事に第
1コーナーを回っていきます。平均時速はトップで約85kmくらいだとか。第1ドライバー
のはるちゃんは16番手あたりで定位置となり、順調にラップを重ねていきます。
 いや実際は、スタート15分もすると油温が上昇し、加速がきかなくなるため、エンジンに
負担をかけずに走らねばならないのです。空冷の辛いところですね。
 しかし、ピットクルーは真剣でも、ギャラリーは無責任。サーキット名物のホットドッグを
食わねばならないとパドックを離れたり、整備中の他のマシンを見物したり・・・
 そうそう、ピットといえばサインボード。サインボードというと車両のゼッケンが書いてあ
るわけですが、ここですごいのを発見。元の車輌の中古車価格表が、そのままボードとなって
掲示されています。この46番の今村さんは、1人で1時間を走りきり、7位に入賞していき
ますが、まさかゼッケンが車両の値段だとは誰も知らないよなあ。
 そうこうしているうちに、はるちゃんは30分のデビュー走行を終え、第2ドライバーの片
貝さんにバトンタッチ。
「もうエンジン回らないから走っててもつまんない」
 ・・・ず、ずるい。
 ところが、終盤に来てピットのテレメータが1分33秒というベストラップを記録します。
 おお、片貝さんは適度に流してクールダウンを促し、油温が安定したところでフル加速という戦術を展開。最終コーナーを回ってくるたびに順位が上がっていくのです。
 この間、はるちゃんの仲間の黒田・正岡ペアは燃料系のトラブルでピットイン。ボンネットはRPというNV・デラックスに微調整を施して再スタートしていきます。
 1時間はドライバーには長く感じられ、端で見ているとあっという間のゴールとなります。
 結果、ポールトゥフィニィッシュのフロンテクーペは1分21秒というベストラップで、はるちゃんたちを周回遅れにしながら優勝。3位までは予選通りに表彰台となりました。
 はるちゃんたちは13位、黒田・正岡ペアも36位でレース終了です。
「オイルクーラーほしいねえ」
「でもねー、この車には付かないんだよねー」
「次は12月だから、少しは季節が味方するかな」
「それまでに少し軽量化しようか」
 怪しげなおぢさんたちは、にこにこしながらリザルト表と愛車を交互に眺め、次回の作戦を
立て始めています。この続きは、年末の筑波サーキットで。それまでの間、レース談義とクル
マのヨタ話は、筑波のFOOTMARKSでいたしましょう。