震災遺構 浪江町立請戸小学校/福島県双葉郡浪江町
 
2025/10/18
 
 福島県内唯一の震災遺構で、教職員・生徒全員が無事避難することができた学校として知られています。当時のまましっかりと保存されている施設です。本当にそのままです。
 震災当時私は中学2年生で、地元福島市で揺れを感じました。
 相双地区の悲惨な映像を見て、同じ福島で起きている事象だと解っていながらも、どこか遠い地域の話のように捉えていました。震災前に相双地区へ出かけることもあまりなかったため、正直縁のない地域だと思っていました。
 その縁のないと思っていた相双地区まで、自分の意思で、自分の乗り物で、自分の運転で向かってみるとそれはそれはあっという間に着いてしまいます。地図を開いてみれば、福島市と浪江町は間に伊達郡川俣町を挟んでいるだけで、ほとんどお隣さんなのでした。


 請戸小学校から4kmほど東方向、このあたりに来ると毎回立ち寄ってしまうのが「中華料理濃河」です。いわゆる"町中華"なのですが、店主はおそらく本場の方で厨房から聞こえてくる会話は日本語ではありません。
 今回は「五目チャーハン」を注文しました(880円)。
 こちらのチャーハンは薄味で、大変まろやかなお味です。お米のパラパラ感もしっかり出ています。写真には映っていませんが、一緒に付いてくる玉子スープもまた薄味で、体に優しく染み渡ります。ごちそうさまでした。
 濃河は2019年1月に開店したようです。
 帰還困難区域を除いた避難指示解除が2017年、特定復興再生拠点区域の避難指示解除が2023年なので、避難指示解除後としては比較的早い時期にこの地域で開店しています。
 震災直後から手付かずだった建物は徐々に取り壊され、「道の駅なみえ」をはじめ、さまざまな商業施設や飲食店が新たに進出してきています。街の中心部は想像以上に賑わいを感じます。しかし、中心部を外れると通行止め表示や物々しいバリケードが至る所に設置されていて、どうしても"事情"を感じてしまいます。
 そういった引っ掛かりを一切感じることなく遊びに行ける地域に戻ってくれることを願っています。

 
撮影: くろさん


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