年が明け大晦日を湿らせた雨も上がった。
 2024年の幕開けだ。
 元日のつくばーど基地といったら、そう、年末年始関東人の来訪である。

 年末に緊急入院した妹の容体は峠を越えて安定し、入院先で新年を迎えることとなった。あわやという事態もよぎったため、無事に年越しができたことのお礼参りも兼ね、裏山の神社に出かけた。
 コロナ禍の影響を引きずっているのか未明の天候が良くなかったからか、神社の境内は閑散としている。放射冷却も無く妙にあたたかな夜。本殿に上がって新年の挨拶と共に口から出たのは「あったかいですねえ」だったのだが、禰宜衆からは意外な答え。
 「そうでしょう? 本殿にガラス窓入れたから暖房効果抜群!」
 驚いた。創建1200年といわれる神社の本殿の、開闢以来の出来事だ。電化は昭和の時代に行われているが、木枠のサッシュなどは令和になっても無かったのだ。
 

 「それより雷蔵さんとこ、弟さんいたっけか?」
 「うちはさー、生き別れの妹とか弟とかいろいろいるんだわ」
 などとあらぬ誤解を招く対話をするのだが、なぜかと言えば我が家の面子にしては「一人多い」からである。毎年のようにしらっと本殿に上がっていたが、遂に問われてしまった。
 そうなのだ。もはやこれがなければ年越しにならない、なまはげかまれびとか、つくばーど®においてはかつては週末関東人と呼ばれていたあの男が、この正月にもやってきたのである。
 「ことしは予告してきましたので!」
 「ならば赦す! だけどあたしゃ聞かされてないわよ」
 小言を言われたが無事に雑煮は振舞われた。
 夜明けとともに霰が元旦出勤していき、残った一同は朝寝朝酒朝湯としゃれ込むつもりが、こういうときはだいたい朝寝だけですべてがすっ飛ぶのである。