《幻のショッカーライダーニューサイクロン戦を描く》


 夜ごと、残虐な通り魔殺人が続いていた。目撃情報や被害者の死の直前の証言は、それが「仮面ライダーの仕業」だと異口同音に告げていた。
 本郷猛は窮地に陥る。彼には、事件当日のアリバイが全くないのだ。
 立花藤兵衛や滝和也の制止を振り切り、猛は事件を追って深夜の街へ走り出す。
 そこで遭遇したものは、自分と寸分違わぬ性能を与えられた改造人間、仮面ライダーであった。
 ゲルショッカーは、仮面ライダーを社会的に抹殺しようと、ゲルショッカー側のライダーを6体も開発し、本郷猛にはエイドクガーとナメクジキノコを監視役に投入して、猛が自室にいる時だけにショッカーライダーを繰り出していたのである。
 猛は市街地から海岸線へと移動しながら、ショッカーライダーたちを街から引き離す。
 「猛! 影だ。おまえの影が三つある!」
 猛の無実を証明したのは、帰国し合流した一文字隼人だった。
 「6対2だ。おまえたちに勝ち目はない!」
 「見よ、ショッカーライダーフォーメーション、サイクロン・バキュームだ!」
 ショッカーライダーは、ニューサイクロンで円陣を描き、高速走行で回転しながら猛の周囲の大気を遮断、真空状態に近づけていく。
 

 「行くぞ隼人!」
 「やるぜ猛!」
 「ライダー」
 「変身!」
 ダブルライダーは健在だ。反撃の時が来た!
 ショッカーライダーの鉄壁のフォーメーションも、猛と隼人のチームワークとコンビネーションの前には付け焼き刃に過ぎなかった。 ゲルショッカーの物量作戦は破綻を来した。

 

 すがやみつるさんが描いた「新仮面ライダー」は、本郷猛が帰国し、新1号として戦いを始めるところからドラマが展開し、ゲルショッカー編へと推移する。そのクライマックスには、風見志郎の家族が惨殺されるサイドエピソードとして、デストロンの暗躍も描かれるが、物語の本流は、テレビ版とタイアップした6体のショッカーライダー編だ。
 正確なストーリーは失念してしまった(なぜかコミックスに収録されていない)が、見せ場はショッカーライダー専用のニューサイクロンの登場と、彼等のフォーメーションによるダブルライダー包囲網だ。
 ここではビジュアルの都合上、本郷猛と一文字隼人を同場面に置き、ダブル変身への展開にアレンジした。実際には少し異なるストーリー展開で、ダブルライダーの逆襲が描かれていたはずである。
 ショッカーライダーは手軽な再塗装。常用ニューサイクロンは従前の作例。本郷猛はアルティメットエディション秘密戦隊ゴレンジャーのアオレンジャーから、一文字隼人は同ミドレンジャーから起こしている。
 ダブルライダーのニューサイクロンは、1号用を前期型に再塗装した。新2号は、CWムックの限定ペイント版を使用している。

しかし、実際にはこんなに違っていた!
 幻とされていた冒険王連載時の、ショッカーライダー編から最終回、仮面ライダーV3への橋渡しを行うエピソードが、冒険王Ver.完全版として出版された!
 実はこんな展開になっていたのである。
 (左の台詞のコマがリンクになっています)