《サーキットのクラッシャー》

 サイボーグレーサー、エデリー・ブーツホルツが黒い車体のミッショネルVR‐4に続いて乗り込んだ新型マシンがパープルカラーのネオミッショネルVR‐40。カーナンバーは先代からゼッケン13を踏襲している。
 基本フォルムは先代を踏襲したエアロダイナミクスボディーと、意図した目的によるクラッシュレースギミックを内蔵する。これはミッシングリンクがサイバーフォーミュラ参戦に対してさほどの執着心を持たない道楽チームのように見せかけ、マシン開発も自社系列の傍流企業に委ねることで、秘匿されたレース参戦の裏の狙いを悟られないようにするためと思われる。
 最高出力1,500馬力/22,000回転、最大トルク165mkg/18,600回転、最高速度441Km/hを記録するサイバーサイクルエンジンV12と、フルタイムサイバービスカス4Wの駆動系を持ち、前6段のミッショが定番となりつつあったサイバーマシンの中で7段を採用し続けている。駆動系は四輪駆動だ四4輪操舵までは用いていない。エデリーのパイロットによって表彰台を争うこは可能な性能を保持していると評価されている。 


   

 ミッシングリンクのチーム構成は、コングロマリット企業オーバル・エンタープライズが親会社同社は。親会におい、サイバーフォーミュラ以外にF1にもチームを送り込んでいるが、サイバーフォ‐ミュラへの参戦はスゴウレーシングが開発した新型サイバーシステムの強奪という目的を秘めていた。
 単なるナビゲーションシステムにとどまらないスゴウのサイバー技術を軍事転用し、兵器需給の世界で市場独占を狙ってのことだ。そのため新鋭ドライバーとしてエデリー・ブーツホルツや菅生修を擁立して選手権に臨むが、この陰謀を察知した修がチームを離反しスゴウのマシンデザイナーである風見広之に通報、姿をくらませた。
 修とライバル関係にあったエデリーは、一度は重傷を負い選手生命を危ぶまれるがミッシングリンクによるサイボーグ手術を受けることでレース界に復帰。その恩義を受けて菅生チームのマシン走行妨害を命じられ、ミッショネルVR‐4で参戦するが、覆面レーサーナイトシューマッハに扮した修との私闘によって自らの悪行を思い知らされる。
 エデリー自身はサイバーフォーミュラ選手権登場の頃には中堅ドライバーとなっていたが、そのドライビングテクニックは超一流であり、改心の後は若手ドライバーの支援に回る。